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残留争いの渦中の日本人選手たち。
ヴォルフスブルク・長谷部の想い。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byItaru Chiba
posted2011/05/07 08:00
第32節の対ブレーメン戦で後半21分から途中出場し、1-0の勝利に貢献した長谷部
長谷部、岡崎、槙野……チーム残留争いの軌跡。
ブレーメン戦のあと、長谷部も変化を感じ取っていた。
「今日みたいなゲームは、今シーズンだったら、追いつかれたり逆転されたりしていた。そういう中で勝てたのは、みんなが緊張感をもってしっかりやっているということになるのかな。残留争いの厳しい位置にいるから、危機感からこういうゲームが出来ていると思います」
ブレーメンに勝ったことでヴォルフスブルクはようやく入れ替え戦圏内からも脱出。残り2節の時点で15位につけている。
一方、岡崎加入時には17位に沈んでいたシュツットガルトは勝ち点39で12位。自動降格はなくなり、残留はほぼ間違いないだろう。
槙野が所属するケルンは、フィンケSDがシェーファー監督の批判を繰り広げ、シェーファー監督が辞任。主将ポドルスキーをはじめとしてチーム内に激震が走ったが、暫定監督となったフィンケが指揮をとった第32節のレバークーゼン戦で勝ちをおさめて、勝ち点38に伸ばし、残留を大きく引きよせた。
ヴォルフスブルクが入れ替え戦に回ると長谷部と細貝の対戦も。
第32節終了時の下位4チームの順位は以下のとおり。
15位 ヴォルフスブルク 勝ち点35 得失点差 -6
16位(入れ替え戦) フランクフルト 勝ち点34 得失点差 -14
17位(降格) ボルシアMG 勝ち点32 得失点差 -19
18位(降格) ザンクト・パウリ 勝ち点29 得失点差 -25
過去10試合勝ちなしのザンクト・パウリの降格は濃厚で、残る3チームが残留、入れ替え戦、降格の3つの席を割り当てられることになるだろう。
万が一、長谷部のいるヴォルフスブルクが入れ替え戦に回ることになれば、現在は2部で3位の鄭大世のボーフムと対決する可能性が高い。鄭大世は第6頸椎にヒビが入る大怪我で、現在は復帰を目指してトレーニング中だ。あるいは現在は2部で2位につける、細貝のアウグスブルクと対戦する可能性もある。