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今年の本命はスズキ!MotoGP4強時代へ。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2007/02/22 00:00

今年の本命はスズキ!MotoGP4強時代へ。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 2003年の日本GPで加藤大治郎選手が事故で亡くなったのをきっかけに、速すぎるMotoGPクラスの最高速を抑えるための論議が高まった。そして、今シーズンからようやく車両規定が変更された。変更点はふたつ。排気量が990ccから800ccに落とされ、燃費を厳しくするために燃料タンクの容量が22Lから21Lになった。

 その効果は大きく、昨シーズン中に始められたテストでは、ニューマシンは990ccより加速が鈍く、どのサーキットでも10km以上最高速が落ちた。スピードが落ちた分、安全性は高まり、ライダーやタイヤへの負担も軽減された。選手たちは「250ccのマシンのようだ。乗りやすくなった」と歓迎している。ただ、乗りやすくなったことでコーナーリングスピードが上がり、ラップタイムは早くも990cc時代のレベルに近づいている。

 その中でも、990ccのマシンをベースにニューマシンの開発を進めてきたスズキが好調だ。1月のマレーシアテストでは、タイトル奪還を目指すヤマハのエース、V・ロッシとともに、スズキのJ・ホプキンスが素晴らしいパフォーマンスを見せた。天才と称されるロッシの実力を差し引けば、スズキのマシンの仕上がりが頭抜けていることは間違いない。

 好調の原因は、車体に大きな変更を加えず、990ccのエンジンのボアストロークを小さくしたニューエンジンを搭載したことにある。スズキはエンジンの高回転化を容易にするエアーバルブを昨年から採用し、成果をあげていた。今年は排気量が小さくなったことでより高回転型になっているのだが、その効果がはっきりと現れてきたようだ。これまでテストを行った、バレンシアとヘレス、セパンでは十分に優勝を狙える速さを見せた。唯一、高速コーナーが多いオーストラリアではタイヤの消耗に苦戦したが、それは「去年から抱えている課題」(ホプキンス)。これさえクリアできればタイトル獲得も夢ではない。

 スズキは苦悩の連続だったV4エンジンを、6年目にして優勝を狙える状態に仕上げつつある。今や文句なくチャンピオン候補の一角。ホンダ、ヤマハ、ドゥカティの3強時代から、スズキを加えた4強時代へ。今シーズンは激戦が繰り広げられそうだ。

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