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青山周平が迎える、
わずか2年目の正念場。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2007/01/25 00:00

青山周平が迎える、わずか2年目の正念場。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 WGP250ccクラスで総合8位になり「2006ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を獲得した青山周平が、'07年、「ホンダ・レーシング・スカラシップ」卒業のシーズンを迎える。昨年は初めてのサーキットに苦戦したが、予選ではフロントローを3回獲得。ルーキーとは思えない速さで注目された。

 その好走の背景には、子供のころから一緒に切磋琢磨してきた兄・青山博一、そして、良きライバルであり仲間でもある高橋裕紀の存在があった。GPではライバルにライン取りを教えるような親切な選手はおらず、ルーキーは厳しい戦いを強いられる。日本人同士であってもそれは変わらないのが通例だが、ともにスカラシップ生で気心知れたふたりの先輩の存在は、周平にとって大きなアドバンテージだった。

 しかし、総合力が問われる決勝ではさすがに苦戦して、表彰台も3位が1回だけ。トップ10に9回と健闘したが、シーズン5勝という目標にはほど遠く、「新人賞は取れたけれど、ランキング8位がいいのか悪いのか自分でも良くわからない」と、不完全燃焼の1年を振り返る。

 デビュー前に彼が掲げた5勝という目標は、'00年に故加藤大治郎選手が記録したデビューイヤー4勝を超えることを意味していた。過去、デビューシーズンに4勝を挙げたのは、故加藤選手のほかに、'93年にチャンピオンに輝いた原田哲也選手だけ。世界の経験がないスカラシップ生が掲げる目標としては現実的ではない。しかし、その心意気と慣れないコースでの予選の一発の速さは、これからの成長を大いに期待させる。

 ふたりの先輩は、卒業のシーズンに初優勝を達成してレギュラーシートを獲得した。周平がグランプリで生き残るためにも初勝利は欠かせない。そのためには、昨年それぞれ2勝を挙げている兄・博一と高橋に勝つことが前提となる。立ち塞がる高いハードルを前に、大嫌いなトレーニングにも積極的に取り組むなど、弟気質でノンビリ屋の周平も目の色を変えている。'07年のチームメートは、ルーキーで19歳のJ・シモン。世代交代の激しい250ccクラスで、22歳の周平は、早くも、追う側から追われる側になった。

 「今年はまず1勝」。現実的な目標を掲げた周平に期待したい。

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