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ビアッジのWSB参戦が、頂点レースの概念を変える。 M・ビアッジ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2007/03/22 00:00

ビアッジのWSB参戦が、頂点レースの概念を変える。 M・ビアッジ<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 WGPのトップライダーでありながら昨年シートを失ったM・ビアッジが、1年のブランクを経て、スーパーバイク世界選手権(WSB)で現役復帰を果たした。

 250ccクラスで4度のタイトルを獲得。最高峰モトGPでは、王者V・ロッシのライバルとして常に注目を集めて来たビアッジ。過去、これほどのビッグネームが、モトGPから格下のカテゴリーと見られるWSBにスイッチした例はなく、その言動は大きな話題になった。

 WSBは1000cc以下の市販車で争われる。元GPライダーとこれからGPを目指す若い選手が中心で、マシンの性能差が少ないため常に接戦となっている。

 一方、モトGPはバイクメーカーが総力を挙げて戦う舞台であり、ハード面のレベルの高さは市販車ベースのWSBとは比べようがない。さらに、モトGPはレース界の頂点に位置するカテゴリーで、当然、優秀なライダーが集中する。

 しかし、この数年はプラチナシート化が進んだことで、シートを失うライダーが増えた。彼らはWSBにスイッチし、そのためWSBのレベルは上がっていた。そして今年はビアッジの参加で、両カテゴリーの距離が一気に縮まった。

 昨年の最終戦バレンシアGPには、WSBチャンピオンのT・ベイリスがモトGPにスポット参戦し、優勝を遂げて注目を集めた。そして今年はビアッジがWSBにフル参戦。開幕戦カタールの第1レースで衝撃のデビューウィン(第2レースで2位)。連戦となった第2戦オーストラリアでは3位/4位になった。いずれも大混戦のレース。ピークを過ぎたビアッジとはいえ、彼と競ったことでWSBライダーのレベルの高さが改めて証明された。

 大物ライダー、ビアッジのニューチャレンジは、選手たちのモトGPへのこだわりをなくすかもしれない。それにより、WSBはモトGPに並ぶトップカテゴリーのレースとなる可能性すらある。

 「スーパーバイクはレベルが高いし本当に面白い。もっと早く、このカテゴリーに来ていれば良かった」

 そう語ったビアッジの顔は、モトGPでシートを失ったスターライダーの負け惜しみとは思えない、実にさわやかなものだった。

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