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世界最小GPライダーが、
いよいよ本領発揮。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2007/05/17 00:00

世界最小GPライダーが、いよいよ本領発揮。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 WGP125ccクラスで3年目の小山知良が、第3戦トルコGPで3位になった。今季は同クラスの強豪でオーストリアのバイクメーカーKTMに移籍し、3戦目での初表彰台だった。デビューイヤーはホンダのプライベートチームから参戦し、2回の表彰台で総合8位になって「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を獲得した。昨年は同チームがマシンをイタリアのマラグーティにスイッチしたが、マシンのポテンシャルの低さに苦戦。シーズン中に2度の骨折、総合15位と散々な1年となったが、その頑張りと実力を認められてKTM入りを果たした。

 3歳でポケバイに乗り始め、ミニバイク時代から注目されていた。16歳からは、原田哲也、中野真矢など名選手を世界に送り出した名門チーム「SP忠男」で全日本125ccクラスに参戦。史上最年少記録17歳(当時)で全日本チャンピオンに輝いた。その後、250ccクラスにスイッチし、常にチャンピオン争いに加わる活躍で将来を期待された。

 日本のメーカーが若い選手をワークスライダーに迎え入れた時代なら、小山もまた、「SP忠男RT」から「ヤマハワークス」入りというエスカレーターに乗り、世界を目指したに違いない。しかし、国内のレース界の環境の変化で、ワークスチームが消滅。GPもエントリーの間口が年々狭まり、世界挑戦は厳しい時代を迎えた。そういった状況の中で、契約金なしという最低限の条件で世界参戦を果たしたが、苦労が報われ今年は戦いに集中できる体制を手にした。

 小山は小柄な選手である。最高速や空力面でメリットも多いが、ライディングではハンディキャップになる。それが結果として、考える力と分析する能力を身につけさせ、さらに「24歳にして21年のキャリア」を積み、バイクをコントロールする技術を磨いてきた。そして無理がきかない分、冷静沈着なライディングを生み出した。まさに、柔よく剛を制す、である。身長は現在のGP界ではもっとも小さい155cm。しかし、世界チャンピオンの期待は大きい。

「2年前の表彰台も嬉しかったけれど、今回の表彰台は格別。KTMですからね。一日も早く表彰台に立ちたかった。嬉しいし、ホッとした」。次のハードルは念願の初優勝。これも時間の問題である。

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