SCORE CARDBACK NUMBER

来季の捲土重来を期す
セルティックスの矜持。
~NBAを面白くする“口撃”~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byNBAE/Getty Images

posted2009/07/06 06:00

 勝負の世界で“たられば”話をしても意味がない。そうわかっていても、つい聞きたくなることがある。もしケビン・ガーネットが故障せず健康だったら、ボストン・セルティックスはNBA2連覇を達成していただろうか?

 NBAファイナルの最中に出演したテレビ番組でこの質問を投げかけられたセルティックスのヘッドコーチ、ダク・リバースは、 迷うことなく 「していた」 と断言した。しかし、すぐにこうも付け加えた。「でも彼が故障していたのが現実だ」

 これだけ聞くと、プレイオフ2回戦でオーランド・マジック相手に敗退した悔しさはすでに乗り越えたように思える。しかし、マジックとロサンゼルス・レイカーズのどちらが優勝しそうかとの質問に対して「本音を言えばどっちにも優勝してほしくない」と漏らしたところをみると、負けた痛みはまだ大きいようだ。

 実はリバース、オフシーズン中は家族とともにオーランドに住んでいる。かつてマジックのヘッドコーチをしていた縁もあり、マジックの関係者からファイナルのチケットを貰っていたが、一度も会場に足を踏み入れなかった。「自分のチームが参加していない試合は見ない」と言うのだから、相当の負けず嫌いだ。

選手たちの大胆な“口撃”がNBAを面白くする。

 負けず嫌いはリバースだけではない。

 セルティックスがプレイオフ敗退した後、ガーネットは故障していた膝の手術を受けた。骨棘(こつきょく)を取り除く簡単な手術で、他に大事に至るような問題も見つからず、秋のトレーニングキャンプまでには全快の予定だという。その結果を受けて、ガーネットはチームオーナーに、来年と再来年の連覇を約束したという。

 もうひとりの中心選手、ポール・ピアスはもっと大胆に宣言した。レイカーズが今季のNBAチャンピオンになった数日後、自分のツイッター・サイトでこう発信したのだ。

「レイカーズ対オーランドは、まるでジャーマン・シェパードとプードルの戦いのようだった。ま、それもいいだろう。2010年にはロットワイラー(力強い大型犬)のセルティックスが戻るぜ」

 やはり、この世界では過去の“たられば”より、先の話のほうが似合っている。何しろ、優勝した1チーム以外はみんな思っているのだ。

「来シーズンまで待っていろよ」と。

■関連コラム► マジック快進撃の陰の主役、ネルソンの安定感に期待。 (2009年2月12日)
► ポール・ピアス少年が、想像もしなかった現実。 (2008年6月26日)

ページトップ