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世界ランク算出方法の変更に、意義あり。 

text by

吉松忠弘

吉松忠弘Tadahiro Yoshimatsu

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photograph byHiromasa Mano

posted2006/03/23 00:00

世界ランク算出方法の変更に、意義あり。<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

 テニスの世界ランキングは、スポーツ界の中でも最も秀でたシステムである。2週間にわたって開催される4大大会の時期を除いて、男女ともに毎週、単複の世界ランクが更新されるのは、テニスだけだろう。コンピュータで管理される現行の世界ランクができたのは、男子が'73年、女子が'75年。30年以上の歴史があるのだが、それでも選手の実力を的確に数値化するのは難しく、何度か改正を重ねている。以前は、男女ともに選手が1大会で得たポイントの平均値を算出し、その上位から世界ランクを振り分けていた。しかし、それでは数字のマジックとして、出場していないのに世界ランクが上がるという現象が起き、現在では単純加算式を採用している。

 今年から、女子の世界ランクの算出方法に大きな変更が加えられた。男子は'00年から採用していたが、金星に対するボーナスポイント(正式にはクオリティーポイント)が廃止されたのだ。昨年までは、世界1位に勝つと100点、同2位だと75点というように、勝った相手の順位(500位まで)によって、得られるポイントが違っていた。つまり、同じ2回戦進出でも、その選手が得られるポイントは、勝った相手によって異なっていたのである。しかし、今年から世界1位に勝とうが世界1000位に勝とうが、同じとして扱われている。

 男子の時も同様だが、変更の背景には分かりやすさという点がある。確かに、色々な要素を含めると、算出方式は複雑化する。テニス界に世界ランクが定着したため、ファンでもその順位に一喜一憂するようになり、サービスとして逆に分かりやすさが優先されたようだ。

 しかし、世界ランクはファンのために存在しているわけではない。現在、シード順や、本戦に出られる選手を選出する方法は、すべて世界ランクが使われている。選手にとって世界ランクがどのようになるかは死活問題だ。浅越しのぶは「上位選手を倒すことに燃えるものがある。それが評価されないのは残念」と話す。事実、ボーナスポイントが全員0点となった今年最初の世界ランクで、浅越は2〜3位、順位を落とした。大物食いの部分が排除されたわけだ。1位に勝っても、1000位に勝っても同じ。どうも納得がいかない。

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