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「第三の男」大矢就任で、横浜は変われるか。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

posted2006/10/12 00:00

 横浜・牛島和彦監督が今季限りで退団し、後任は大矢明彦にほぼ決まった。補強を始め人事に関していろいろと要求の厳しかった前任者に比べ、ある素材で上手に調理するベテラン料理人に、横浜のフロントは再建を託したのである。

 監督の後任人事は、どこが主導するかで大きく変わってくる。横浜の場合、親会社主導なら、田淵幸一、佐々木主浩らTBS系の人物が入ってくる。横浜財界主導であれば、平松政次、斉藤明夫などのOBが候補になる。そしてフロント主導なら、過去の実績から大矢明彦、権藤博の名があがる。

 今回はフロント主導。2人の候補から、面白みはあるが何をやってくるかわからない権藤よりも、無難・安定路線の大矢を選んだというのが実際のところだ。

 '96年から横浜の指揮を執り、2年目に2位に引き上げた大矢を評価する関係者は今も多い。2年契約を満了し、代わった権藤が翌'98年に日本一を果たしたわけだが、若手を育て土台を築いた。捕手出身の監督らしく、守りを主体とした野球は、決して派手さはないが筋が通っている。大矢に育てられたチームリーダーの石井琢朗や鈴木尚典らからの人望が厚いことも大きい。

 今シーズンは最下位だが、若い選手が育ってきている今の横浜には、じっくりと見守るタイプの監督が合っている。ヘッド兼打撃コーチには昨年まで巨人のコーチだった弘田澄男、投手コーチには斉藤明夫と、第一次大矢政権を支えた2人が就任する見込みだ。当時のスタッフを連れ戻して横浜色を鮮明に打ち出そうとしているのがわかる。

 監督当時のスローガンは「激闘」。理論派で大人しそうに見えるが、なかなかの熱血漢だ。12球団で一番観客離れが目立っているチームにあって、石井琢、佐伯貴弘らベテランに代わる若手育成と、村田修一、吉村裕基らの目玉作りにその手腕が注目される。

 球界では、監督は2度目のほうが成功率が高いと言われる。フロントとも如才なくやれるという点では、年齢、経験ともに期待できそうだ。

 WBCで王貞治、甲子園では斎藤佑樹と、今年は早実の年だった。早実出身の“第三の男”として続くことができるかどうか。

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