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共同通信杯から占う、今年のクラシック戦線。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byShigeyuki Nakao

posted2006/02/23 00:00

共同通信杯から占う、今年のクラシック戦線。<Number Web> photograph by Shigeyuki Nakao

 武豊騎手に言わせると、「今年の3歳世代はちょっと小粒」なのだそうだ。多分、前年に競馬史上に残る超大物がいたため、なおさらそう感じるのではないかと思うのだが、彼は言下にそれを否定してみせた。

 「たしかにディープインパクトは抜けた存在でしたが、それに続く馬たちのレベルも例年以上だったと思うんですよ。それに比べると、今年は目立つ馬の数が少ないし、完成度も進んでいない感じがします」との見解。黙っていても、いい馬が集まってくる断然のトップジョッキーの感覚なのだから、傾聴に値しよう。ただし「完成度」云々というのが大事なところ。こんな年はクラシック寸前に急激な上昇カーブを描いて本格化する秘密兵器が、必ず頭角を現すものなのではないか。

 共同通信杯(2月5日、東京、芝1800m、GIII)は、現時点でのトップクラスを形成する3歳馬による戦いだった。朝日杯FSを勝って2歳チャンピオンに輝いたフサイチリシャール(栗東・松田国英厩舎)が1番人気で、札幌2歳S勝ちのアドマイヤムーン(栗東・松田博資厩舎)が2番人気。3番人気に新潟2歳Sの覇者ショウナンタキオン(美浦・上原博之厩舎)、4番人気に2戦2勝のマッチレスバロー(美浦・萩原清厩舎)が続いていた。そして勝ったのはアドマイヤムーン。鞍上はこの馬には初めて乗った武豊騎手だった。抜け出して周囲に馬がいなくなると気を抜いてしまうという弱点を考慮して、できるだけゆっくりと追い出すという余裕の騎乗。着差は僅かに半馬身だったが、上がり33秒9という瞬発力も一級品。完勝と言っていい内容だったと思う。武豊騎手も「このレースを勝った馬が現時点でのトップになると思っていました。いい勝ち方でしたね。今年のクラシックも期待が膨らんできました」と満点ジャッジ。父が距離に壁を抱えていそうなエンドスウィープであることだけがネックになるのかもしれない。

 2着フサイチリシャールも、2番手に控える競馬で崩れなかった。安定感は随一か。もう1頭、たんぱ杯2歳Sで現実にアドマイヤムーンを負かしているサクラメガワンダー(栗東・友道康夫厩舎)を加えて、トップ3を形成した感がある。しかし、フサイチジャンク、キャプテンベガも小差で続いている。

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