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今年のクラシック戦線、武豊が騎乗する馬は。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byMasumi Seki

posted2006/03/23 00:00

今年のクラシック戦線、武豊が騎乗する馬は。<Number Web> photograph by Masumi Seki

 小粒だとの評価が固まりつつある今年のクラシック戦線だが、キャラクターはむしろ豊富に揃っている。近年、皐月賞、ダービーに最も影響があると言われるようになった弥生賞が終わったというのに、未だに武豊騎手の騎乗馬がはっきりしていないというところに、混迷の度合いが表れている。

 注目の弥生賞(3月5日、中山、芝2000m、GII)は、ラジオたんぱ杯2歳Sで一騎打ちを演じた、サクラメガワンダー(栗東・友道康夫厩舎、牡3歳、父グラスワンダー)と、アドマイヤムーン(栗東・松田博資厩舎、牡3歳、父エンドスウィープ)の二強対決ムードだったが、制したのは武豊騎乗のアドマイヤムーン。

 10頭立ての9番手、10番手にじっくり構えた2頭はまさに遠くを見据えた競馬に徹したわけで、味わい深いその戦いはムーンの完勝。スパッと抜けたあと、内から差し返し気味に伸びてきた伏兵グロリアスウィークの抵抗にヒヤッとした感もあったが、「並ばれたらまた伸びるのがこの馬のよさ」と、ジョッキーはすましたもの。ゴールインの直後、2着馬ではなく置いてきぼりにしたサクラメガワンダーとの差を確認するように外を振り返った武豊騎手の動きに、このレースの意味を感じたファンは多かったはずだ。コンマ6秒差。仕上がりの度合いに差があったとしても、逆転至難とも思わせる大きな水が2頭の間に開いた。

 それでも武豊騎手はクラシックのコンビを明言しない。若葉Sに4連勝をかけるフサイチジャンク(栗東・池江泰寿厩舎、牡3歳、父サンデーサイレンス)も無垢な存在として控えているからだ。いやそれだけではない。「キャプテンベガ(栗東・松田博資厩舎、牡3歳、父サンデーサイレンス)にも、大いに魅力を感じています」と、複雑な胸の内の一端を明かしてくれている。

 このクラシックで、武豊以上のキーマンとして注目されているのが松田博資調教師だ。前記2頭以外にきさらぎ賞勝ちのドリームパスポート(牡3歳、父フジキセキ)がいて、牝馬ではアドマイヤキッス、サンヴィクトワール(ともに父はサンデーサイレンス)というクラシック候補を抱えている。違う馬で全冠奪取という離れ業もありえる陣容だ。

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