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日本代表の弱点をW杯最終予選で再確認。 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byShinji Oyama/JMPA

posted2008/09/25 00:00

日本代表の弱点をW杯最終予選で再確認。<Number Web> photograph by Shinji Oyama/JMPA

 中村俊輔、遠藤保仁、中村憲剛。大事な最終予選の初戦で、得点者には日本自慢の中盤がズラリと名を連ねた。裏を返せば、つまり、FWの得点はゼロ。FWの得点力不足は今に始まったことではないが、そんな指摘を耳にする度、いつも思い出す試合がある。

 '03年10月、ワールドユース出場を前に、U―20日本代表がアメリカ遠征を行った。そこで対戦したのが、LAギャラクシーのサテライト。と言っても、彼らの体型や雰囲気を考えると、すでに現役を離れたOBなども含まれているのでは、と推察された。そして、実のある試合になるのかな、とも。ところが、試合が始まってみると、ひとりのFWにおもしろいようにゴールを決められたのである。

 ストライドの大きい、跳ねるような走り方。どこかで見覚えがある。と、よくよく見れば、クリンスマンではないか。それは言わずとしれた、元ドイツ代表のストライカーだったのである。結局、1カ月後には世界の8強に進出する日本の若き精鋭たちを相手に、クリンスマンは3点を叩き込んだ。

 現役時代と違い、スピードでマークを振り切れるわけではないし、運動量もそれほど多くない。だが、シュートに持ち込む流麗な動きには、一分の無駄もなかった。しかも、シュートは計ったようにGKの届かないところへ流し込む。言い方を変えれば、クリンスマンは錆びつくことのない技術だけを武器に、この試合でゴールを量産したのだ。

 翻って、日本のFWたちである。

 3次予選オマーン戦での玉田圭司。結果的にファールを受けてPKを得た場面でも、ファーストタッチでいい場所にボールを置いていただけに、本来あるべき美しいフィニッシュの形は、2タッチ目で右下スミにシュート、だった。

 北京五輪ナイジェリア戦での豊田陽平。結果的にゴールになった場面でも、ファーストタッチからシュートまでに1モーション多く、打つべきタイミングで打てていない。これはあのシーンに限らず、彼がしばしば見せる欠点だ。

 確かに、スピードやパワーの問題もある。だが、ゴールをイメージしたファーストタッチからシュートへ至る一連の判断と技術。それこそが、日本のFWに一番足りないものではないかと思う。

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