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WBC組随一の絶好調男、
カブレラの才能が花開く。 

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津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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photograph byYukihito Taguchi

posted2009/05/01 06:00

WBC組随一の絶好調男、カブレラの才能が花開く。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 WBCに参加した日本人メジャーリーガーが大会終了直後から相次いで故障者リスト入りする一方で、4番打者としてベネズエラをベスト4に導いたミゲル・カブレラ(タイガース)が公式戦で開幕から好調を維持している。4月19日現在で打率4割8分9厘、出塁率5割3分8厘はリーグトップの堂々たる成績だ。

「WBCがあったことで早くから仕上げたせいかどうか分らないけど、今はとにかくバットがよく振れているんだ。去年からいい感触がずっと継続している」とカブレラは言う。マーリンズからタイガースに移籍した昨季、前半戦はスロースタートだったものの、後半戦では一気にペースアップ。自己最多の37本塁打を放ち初タイトルも獲得した。幼い頃から才能を見込まれて、MLB最低年限の16歳で契約し、20歳で早くもメジャー昇格。その年にはワールドチャンピオンの一員にもなり、25歳で本塁打王と順調にスター街道を歩んでいる。

スポーツ・エリートの一家で生まれ育つ

 その成長をマクレンドン打撃コーチが絶賛する。「これまでも力強いバッティングは誰もが認めるところだったが、日に日にミートポイントが広くなっている気がする。相手投手からしたら、どこに投げても打たれそうな感じがして本当にやりにくいはずだ」。もともと血筋もよく、父親は自国のアマチュアでならし、母親もソフトボールの代表チームでプレー、そして伯父もマイナーリーガーという環境で生まれ育った。唯一の不安材料は太りすぎで、一時は体重が116kgまで増加したが「最近はちゃんと自覚をもってシェイプしているよ」(同コーチ)と110kg未満を維持している。

年俸でも実力でも超一流となった

 取材した4月18日はカブレラの誕生日だった。26歳となった今季の目標について「特に意識するものは何もないよ。とにかく一打席、一打席を大事にするだけさ」とカブレラ自身は淡々としていたが、代わりにマクレンドンコーチが「打撃タイトルのいずれかは必ず獲得できるはずだ」と太鼓判を押してくれた。昨年、メジャー屈指の8年総額1億5230万ドルという契約を結び、年俸では超一流の仲間入りをした。そして選手としても成熟してきた今季、天性の打撃センスを活かし、どれだけ大きく花を開かせるのか楽しみだ。

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