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本当にメダルを目指す代表監督選びだったのか。 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byKiyoshi Sakamoto

posted2009/01/06 00:00

本当にメダルを目指す代表監督選びだったのか。<Number Web> photograph by Kiyoshi Sakamoto

 12月5日、バレーボール全日本チームの新監督が発表された。女子は久光製薬の真鍋政義監督が新たに就任。男子は植田辰哉監督の続投が決定した。

 先に開催された北京五輪、女子は目標であったメダルに手が届かず5位に終わった。一方の男子は5戦全敗。とりわけ金メダルを目指して北京へと乗り込んできた強豪国には一向に歯が立たなかった。日本がメダルを獲得するには、これまでの強化方法では限界がある。そんな現実を突き付けられた大会だった。

 日本バレーボール協会が外国人監督も視野に入れ、ホームページ上にて全日本男女の監督を公募したのは今年の9月。国内外から多くの応募があり、最終的に男子は10名、女子は18名の候補者がリストアップされた。候補者の中には強豪国の監督経験者の名前も含まれていたが、いざ選考の段階になって「外国人とはコミュニケーションが取りづらいし、費用がかかる」(立木正夫会長)と協会は招へいを敬遠。蓋を開けてみれば男女とも国内からの選出に留まった。何より公募という方法で期待を抱かせただけに、改革を望んだ関係者とファンの失望は大きい。

 立木会長は記者会見で両監督の武器は若さだと胸を張る。真鍋監督は久光製薬をVリーグ優勝に導いた実績を持つものの、国際舞台の采配に関しては未知数である。一方、植田監督続投の決め手となったのは「16年ぶりに男子バレーを五輪に導いた手腕」(立木会長)。ただし本戦では1勝もできず、その采配に疑問の声も上がった。にもかかわらず「第一候補は植田氏。断られた場合のみ、第二候補の人物と交渉する予定だった」(立木会長)と、端から続投で方針が固まっていた事実が会見で明らかになった。北京五輪の成績が選考に影響しなかったことについて、鳥羽賢二男子強化委員長は「植田監督から受け取った報告書の内容を見て納得した」と説明している。

 「ロンドン五輪ではメダルをねらう」と会長、男女両強化委員長は口をそろえる。しかし監督選考の経緯も、明確ではない強化方針にしても、どうも的外れで、選考委員会と世論とのズレを感じずにはいられない。「4年契約。ただし2010年の世界選手権の結果によっては見直す可能性もある」(山岸紀郎専務理事)。今後も男女両代表の動向に注目したい。

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