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若き主将が士気を高める
眞鍋ジャパンに注目せよ。 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

PROFILE

photograph byMichi Ishijima

posted2009/08/20 06:00

早くから実力が高く評価され、中学時代には五輪有望選手に選出された荒木絵里香(中央)

早くから実力が高く評価され、中学時代には五輪有望選手に選出された荒木絵里香(中央)

 眞鍋政義新監督率いる全日本女子が、現在ワールドグランプリを戦っている。今年新主将を任されたのが荒木絵里香だ。華奢な選手が多い日本では稀な、高さとパワーを備えるミドルブロッカー。'06年から全日本に定着し急成長。北京五輪ではベストブロッカーに輝いた。

 アテネ五輪で主将を務めた吉原知子や北京五輪主将の竹下佳江は、ベテランとして豊富な経験を礎にチームを引っ張った。荒木は主力とはいえまだ25歳。栗原恵ら同世代の選手を巻き込みながら、「チーム内の風通しをよくする」をテーマにチームをまとめようとしている。

格下相手に3連敗も、チームが団結してその後に3連勝。

 7月31日に開幕したワールドグランプリ第1週は、格下と思われたタイにも敗れて3連敗を喫した。「一つになって戦えず、フラストレーションをためながら試合をしてしまった」と感じた荒木は、選手同士の話し合いの場を設け、できるだけ多くの選手に発言させ、積極的にコミュニケーションをとった。第2週に入るとチームに一体感が生まれた。プエルトリコ、韓国、そして、主力が揃っていないとはいえ高さのあるロシアも破って3連勝。荒木自身も要所でブロックを決め、試合後は安堵の表情を浮かべた。

 ただ、自身のプレーの話になると、「よかったのはブロックだけ。他のプレーがひどすぎる」と吐き捨てるように言った。

 昨年、イタリア・セリエAのベルガモに移籍した。しかし、各国の代表が揃う強豪チームでほとんど出場機会のないまま1シーズンを終え、コンディションを落としてしまった。昨年までは東レの中心選手としてV・プレミアリーグをフルに戦い、リーグ後は全日本と、試合に出ながらコンディションを上げてきた荒木にとっては初めての経験。5月からの合宿や欧州遠征で状態は上がってきたものの、体のキレやコンビの精度は完全でなく、歯がゆくて仕方がない様子だ。

新リーダー荒木絵里香はバレー日本代表をどう変えるのか?

 それでも、存在感がある。ブロックに加え攻撃でも、トスが上がる本数は多くないのに、ロシアのミドルブロッカーは荒木のおとりに引きつけられ、サイドの選手が楽な状態でスパイクを決めた。ロシアのクジュトキン監督は「日本の結果に大きな影響力を持つ選手」と語った。

 新リーダーのもと、新たなメンバーを加えながら、日本がこれからどんな独自色を出していくのか注目だ。

■関連コラム► 荒木絵里香 ロンドンで勝つために。 ~セリエA挑戦の理由~ (2008年11月6日)
► 荒木絵里香 オンリーワンを目指して。 (2008年1月8日)

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