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最年少で海外ツアー8強、
男子期待の星・錦織圭。 

text by

吉松忠弘

吉松忠弘Tadahiro Yoshimatsu

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photograph byHiromasa Mano

posted2007/08/23 00:00

最年少で海外ツアー8強、男子期待の星・錦織圭。<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

 日本男子期待の星が、ついに目覚めた。17歳の錦織(にしこり)圭が、7月23日から行われたツアー公式戦インディアナポリス選手権で予選を勝ち上がり、本戦でベスト8まで進出した。'70年に現行ツアー制度が始まって以来、ツアー本戦で8強入りした日本男子は過去わずか6人だけ。錦織は7人目となり、'88年ジャパンオープンで準々決勝に進んだ松岡修造の20歳を大幅に更新し、日本男子最年少となった。同大会の前週に、ロサンゼルスでやはり予選を突破し、初めてツアー本戦に進んだばかりだ。ツアー本戦2戦目にしての快挙で、世界ランクは100位近く急上昇し、翌週には自己最高の276位となった。

 優勝でもなく、世界ランクも3桁では、何がすごいのか分からない読者も多いだろう。しかし、フェデラーやナダルらならいざ知らず、日本男子にとってツアー本戦は遠い道のりなのだ。今年、錦織の前にツアー本戦に出場した日本男子は、添田豪の2回だけ。それも1度は推薦出場で、2回ともに初戦敗退である。その添田もベスト8の経験はない。海外のツアーで同様の成績を残したのは、'01年上海の寺地貴弘以来6年ぶりのことだ。ツアー本戦に予選なしで入れる世界ランクの目安は100位以内。日本男子は、松岡を最後に多くの選手が挑戦したが、誰も到達していない大きな壁だ。その中で、300位台の17歳が勝ち上がるのは並大抵なことではない。

 錦織の才能は、世界的にも注目を集める。試合には、青田買いをもくろむ世界の代理人やメーカー担当者が群がり、金のなる木として皮算用に余念がない。抜群の運動神経を軸に、軽やかなフットワークと強烈なフォアハンドでプレーを組み立てる。昨年の半ばまで、ジュニアを中心にプレーしていた。しかし、昨年後半から一般大会に移行し、わずか1年あまりでその才能が開花した。練習拠点は、フロリダにあるボロテリー・テニスアカデミー。セレシュ、アガシ、シャラポワらを輩出したトッププロ養成所だ。環境は申し分ない。あとは、経験を積むだけだ。27日からは全米オープンが幕を開ける。錦織は、一般で初めて4大大会に挑戦する予定だ。長い間、低迷してきた日本男子に、ようやく世界で戦える逸材が誕生した。

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