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飛ばし屋揃いの米国で
宮里藍が勝つ術は? 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2006/03/09 00:00

飛ばし屋揃いの米国で宮里藍が勝つ術は?<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

 米ツアーのテレビ中継を見ていた友人が、思わず「凄いねぇ」と驚嘆したシーンがあった。中継されていたのは、2月初旬のFBRオープン。画面では、J・B・ホームズという若いアメリカ人選手が、最終日17番ホール、332ヤードのパー4で、3番ウッドを使ってワンオンを果たしていた。ホームズの飛ばし屋っぷりは冴え渡っており、続く池越えの18番ホールでは、365ヤードの超ロングドライブをやってのけ、通算21アンダーで見事初優勝を成し遂げた。

 ケンタッキー出身、23歳のホームズは、今季から米男子ツアーに本格参加し、米ツアー史上「シーズン最速」(最短試合数4試合で達成)で獲得賞金100万ドルを突破した期待のルーキーである。

 ホームズはFBRオープンを通じ、340ヤードを超えるロングドライブを16回も披露した。身体能力の高い選手が、高度な技術に支えられた道具を用いることで全てを支配する時代になっている。その一方で、テクニシャンとか職人といった言葉は耳遠くなり、精神力や集中力、ゲームマネージメントといった言葉の重みが薄まってしまった。

 宮里藍の米ツアー参戦がついに始まったが、身長155cm、すなわち身体能力に劣る宮里にとって、飛距離の問題は今後ずっとついて回るはずだ。海外挑戦の先輩にあたる丸山茂樹は「時間があれば、僕がいろいろレクチャーします」と言っていた。まだその機会は訪れていないようだが、丸山が伝えたいことはきっとこういうことだと思う。他の選手の飛距離に惑わされないこと。ショートゲームとパッティングを磨くこと。そしてショットが曲がっても、勝てるゲームマネージメントの引き出しを早く作ること──。

 飛距離で敵わないのはどうしようもない。飛距離で敵わない分、これまで以上にアプローチやパットの正確性、緻密さを身につけていくこと、それが宮里が世界に伍する絶対条件になる。それは当たり前のようで、実は米ツアーという「現場」を経験しないと身につかないものだ。

 第6戦を終え、米男子ツアー賞金ランク1位につけるローリー・サバティーニのドライバー平均飛距離は294.4ヤード。これは全選手中36位という平凡な数字だ。飛距離は大事だが、そればかりではないからゴルフは面白いのである。

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