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帰国初戦で優勝。やはり宮里藍は強い!! 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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posted2006/09/28 00:00

 「勝ちたい」、「本気で勝ちに行く」ということは容易い。が、実際にそれをやってのけることは簡単なことではない。

 米女子ツアー参戦から帰国した宮里藍が、今季国内第1戦となる日本女子プロゴルフ選手権で優勝した。「最初から勝ちに行く」と語っていた宮里のウィニングパット後の第一声は、「正直、勝ててホッとした」だった。素直な気持ちの吐露だったと思う。

 米ツアーでまだ初優勝を掴めていない宮里が、帰国後にいきなり優勝したことで、世界と日本とのレベルの差を感じた人も多いことだろう。確かに両者の間には歴然としたレベルの差はあるが、今回の宮里のプレーでは彼女の確かな成長を感じることができた。

 最も眼を引いたのは最終日、2番ホール(433ヤード、パー4)。宮里が放った第1打は左に曲がって林の中へ。第2打は林の中から出すだけのショットだった。第3打は手前の木が邪魔をしていたため、低いボールで攻めたがグリーンには届かない。残りは約30ヤード。良くてボギー、悪ければダブルボギーという状況だ。ところが9番アイアンで放った4打目のアプローチをカップにねじ込み、奇跡的にパーをセーブしたのである。

 米ツアーで強豪選手に揉まれている宮里には、たとえプレッシャーになる場面でも、1打を放つことに集中できる精神力が備わってきたように思う。「勝ちたい」という誰もが抱く思いが空回りせず、1打1打をうまく繋げられるゲーム力が養われている感じだ。

 むろん技術的な成長として、アプローチの引き出しの豊富さ、クロスハンドに持ち方を変えたパッティングの精度、天候の変化への対応力など枚挙に暇はない。

 だが、やはり目立ったのは精神力の成長ぶりだった。

 このトーナメントでの宮里には、たとえ難しいラインのパットであっても、「宮里なら入れてしまうのではないか」というオーラが備わっていた。そして、大山志保、不動裕理という日本のトップ選手は、宮里が作り出す空気に過剰反応してしまった気がする。

 本物の強者のオーラを纏いつつある宮里。そのゴルフが世界で結実する日は遠くない。そう思えた見事な優勝だった。

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