SCORE CARDBACK NUMBER

天才少女ウィーの失格劇によぎる疑問。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

photograph byTaku Miyamoto

posted2005/11/10 00:00

天才少女ウィーの失格劇によぎる疑問。<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

 16歳のミシェル・ウィーがついにプロ転向をした。

 幼いころから女性版ウッズと言われ、183cmの身体から繰り出すドライバーは軽く300ヤードを超す。プロ宣言と同時にスポンサー2社から1000万ドル(約11億円)の契約金を手にするなど、21世紀のスーパーヒロインはゲーム前からセンセーションを巻き起こしていた。

 だが、当のデビュー戦では思わぬ落とし穴が待っていた。

 米女子ツアー、サムスン・ワールド選手権3日目の7番ホール。第2打をグリーン近くのブッシュに打ち込んでしまったウィーは、1打のペナルティを払ってアンプレアブルを宣言し、ドロップ。なんとかパーでこのホールをまとめた。

 そして最終日。ウィーは4位という見事な成績でデビュー戦を終えた。ところが、ホールアウト後に「3日目にドロップした位置は、本来の位置よりホールに近づいていた」とのクレームがギャラリーからあり、競技委員が検討の末にそれを認めたのである。ルールでは誤所からのプレーは2罰打が付加されるが、ウィーがこれをスコアに加算せずに提出したので、過少申告で失格になってしまった。

 ギャラリーからの指摘で失格やペナルティが科されるケースはこれまでにもなくはない。だが、今回の失格に関しては、首をひねらされることもなくはなかった。3日目の過少申告が発覚したのが、どうして最終日のホールアウト後なのだろう? 3日目の後にウィーが失格してしまえば、最終日のTV視聴率やギャラリー数に多大な影響が出る。それを回避するために大会関係者の「妙な配慮」があったのでは……そんな穿った見方も頭をよぎる。「ギャラリーからの指摘が最終日だった」というのが公式発表だったが、ではそのギャラリーはなぜ3日目終了後すぐにでなく、最終日を“待って”指摘することにしたのだろう?

 ともあれ、ゴルフはスコアの申告を第三者にでなく、プレーヤー自身に委ねている紳士のスポーツ。誤解を招く行為をしてしまったことに関しては、ウィーも猛省する必要がある。

 後味の悪いデビュー戦であったが、こんなことでくじける21世紀のスーパーヒロインでもあるまい。味わった無念さを明日のゴルフに繋げてほしいものだ。

ページトップ