SCORE CARDBACK NUMBER

古田のイチ押し、飯原が歩む「イチロー2世」の道。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

photograph by

posted2007/04/05 00:00

 報道陣に今年のキャンプの収穫を問われたヤクルト・古田敦也監督は、「飯原」と即答した。昨シーズン、ドラフト5巡目で入団した外野手、飯原誉士のことだ。

 昨季は28試合の出場ながら3割2分4厘を打ち、オフのハワイ・ウインターリーグでは、本塁打王に輝いた。球界では、ウインターリーグで活躍した選手は、不思議と結果を出すというジンクスがある。ダイエー時代の小久保裕紀、オリックス時代のイチローや田口壮もそうだった。

 岩村明憲がデビルレイズに渡ったことで、今季からショートやサードにも挑戦している。オープン戦を見た限り、まだまだゴロの捕り方こそ不安定だったが、バッティングでは光るものを見せ、打率上位に顔を出している。

 もともと栃木、小山高ではエースとして活躍していたが、肩を壊し白鴎大に進学してからは外野を守った。今は昨季怪我に悩まされた名遊撃手・宮本慎也の控えと見られているが、古田監督は「不馴れなポジションとは思えない存在感がある。宮本の故障の時だけじゃなく、三塁でも外野でもどこでもやってもらう」と期待している。岩村の抜けたサードは、14年目の度会博文と12年目の宮出隆自が争っている。そこに飯原を加えることで、競争を生み出し、将来的にはチームの柱に成長してほしいと古田監督は考えているようだ。

 プロ野球の世界、若手がレギュラーポジションを取るには、球団が意図的にスターを育てようとする以外は、正選手の故障か移籍がほとんどである。その両方でチャンスをつかみかけている飯原自身は、「試合に出してもらえるなら何でもやります」と、謙虚に語った。

 飯原は、昨年のフレッシュオールスターで4安打3得点1盗塁の成績を残しMVPを獲得。ここまでの道のりは、イチローと重なる。'92年、ドラフト4位でオリックスに入団したイチローは、その年のジュニアオールスターでMVPを取った後、'93年オフのウインターリーグで自信をつかむ。それが'94年のシーズン210安打につながった。

 ヤクルトには「イチロー2世」と言われる青木宣親がいる。しかし、この飯原も、イチローの背中を追っているひとりなのだ。

関連キーワード
飯原誉士
東京ヤクルトスワローズ

ページトップ