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ドバイワールドカップで日本勢は何を得たのか。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byKiichi Yamamoto

posted2006/04/20 00:00

ドバイワールドカップで日本勢は何を得たのか。<Number Web> photograph by Kiichi Yamamoto

 世界最高賞金をかけて行なわれるドバイワールドカップ・ミーティングは、政情の不安定さにもめげず、創設から1度も休むことなく今年で11回の年輪を刻んだ。開催地のアラブ首長国連邦ドバイでは、宗教上の理由で相変わらず馬券の発売は行なわれていないが、それでも馬の質は年々向上する一方。今年は3月25日のたった1日だけでGIIを2鞍とGIを4鞍行ない、賞金総額は2100万米ドル(邦貨25億2000万円)という、目もくらむ豪華な開催を成し遂げた。アラブの王族たちは自分たちの馬の強さを世界に証明するために、オイルダラーの力をここぞとばかりに発揮しているわけだ。

 メーンのドバイワールドカップ(ナド・アルシバ競馬場、ダート2000m、GI、1着賞金360万米ドル)は、このレースのためにイタリアからのトレードでドバイの馬となっていたエレクトロキューショニスト(牡5歳、父レッドランサム)が、なんとも表現の仕方が難しい無気味な強さで快勝した。道中の手ごたえは決してよくないのに、追われるとそのたびに反応して、根気よく最後まで伸びる。こういう勝ち方をする馬には、日本ではほとんどお目にかかれない。辛うじてホスト国の面目を保った形だが、トップクラスとは言えないイタリアの芝馬を、ここで世界一になると踏んで購入した眼力の確かさは認めないわけにはいかない。いいものを見せてもらった。

 このレースに参戦していたカネヒキリ(牡4歳、栗東・角居勝彦厩舎)は、武豊騎手に導かれて理想的な競馬をしたが、最後は力尽きての5着。まさに「上には上がいる」という結果だった。しかし武豊騎手はこう言う。

 「いい経験をしたと思いますよ。この馬はヘロヘロになってゴールしたレースがこれまで1度もなかったけど、今回だけは精も根も尽き果てたという姿で戻ってきた。馬はこういう経験をしてさらに強くなるんです」

 日本勢は、ゴドルフィン・マイル(ダート1600m、GII)をユートピアが勝ち、ドバイ・シーマ・クラシック(芝2400m、GI)をハーツクライが勝ちと、これまでで最高の大戦果をあげた。しかし、それ以上の成果は武豊騎手のコメントに集約されている。

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