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日本を置き去りにして拡大する海外MMA興行。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2007/11/15 00:00

日本を置き去りにして拡大する海外MMA興行。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 MMA(ミックスト・マーシャルアーツ=総合格闘技)のマーケットはUFCの独占が当分続く。それが関係者の一致した見方だった。事実、対抗勢力と見られていたボードックファイトも、いつのまにかフェードアウト。UFCはPRIDEなど他のMMA組織を傘下に収めながら、どんどん巨大化するものと予想されていた。

 しかし、世の中は全てUFCの思い通りにいくとは限らない。10月11日にはUFCヘビー級王者ランディ・クートゥアーがUFCに突如辞表を提出した。クートゥアーといえば、44歳という高齢ながらオクタゴンで2階級を制覇。抜群の人気を誇っていた。そんなUFCの顔が突如離脱するというのだから事は穏やかではない。続いて10月15日、米国ニューヨークでM-1グローバルが記者会見。“元”PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードルと2年間6試合契約を結んだと発表した。

 M-1グローバルの前身はロシアに本拠地を置くM-1。そのM-1が米国の投資会社の援助を受けてスケールアップして、世界を対象としたMMAイベントを手がけることになったのだ。クートゥアーの離脱とM-1グローバル誕生の日時がほとんど重なり合っていることが偶然だとは考えにくい。何しろヒョードルvs.クートゥアーは最高のドリームマッチなのだから。すでにクートゥアーにはM-1グローバル側から1試合3億円以上のオファーがあったという噂も聞く。

 M-1グローバルの目標はハッキリしている。打倒UFCだ。この新たなMMAプロモーションの誕生によって、UFCのマーケット独占時代は早くも終焉を迎えようとしている。同時にMMAのマーケットはボクシングの世界ヘビー級並みの巨額なマネーが動く舞台になってきた。

 日本国内にも様々な動きがある。10月15日には「日本総合格闘技協会」と興行会社「ワールドビクトリーロード」の設立記者会見が行なわれた。日本総合格闘技協会にはPRIDE系の関係者が関わっているように見えるが、実際に関わっているのはほんの一部。それとは別の勢力が大晦日に関東圏内でビッグイベントを開こうとしている。さらに別の動きも……。まさに群雄割拠。いつまでもPRIDE終焉の感傷に浸っている暇はない。

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