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甲子園まであと1カ月。球児たちの夏が始まる。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

PROFILE

posted2007/07/12 00:00

 ダルビッシュ有(東北高→日本ハム)、辻内崇伸(大阪桐蔭高→巨人)、斎藤佑樹(早稲田実→早大)、田中将大(駒大苫小牧高→東北楽天)──。過去3年間、夏の甲子園大会を賑わせた選手たちだ。10年前なら1人の逸材が登場すると、しばらく人材の輩出は止まったが、技術の進歩やトレーニング法の改良が進むにつれ、「20年に1人」と形容される逸材は毎年のように登場するようになった。

 そういう逸材の周囲には、主役の座を狙うライバルが自然と集まる。真っ先に思い浮かぶのが86本の高校通算本塁打記録更新に向け驀進中の中田翔(大阪桐蔭高・外野手)と、その怪物退治に名乗りを挙げる大阪の球児たちだ。

 田中将大を思わせるような力強さで注目される石田隆司(東海大仰星高)、春の選抜大会前の練習試合で出場校・成田高をノーヒットノーランで下した平川貴大(上宮太子高)など、怪物退治の候補選手は多いが、最も注目されるのが昨年秋の大阪大会で中田を1三振3凡飛に打ち取った左腕・植松優友(金光大阪高)だ。

 三振に打ち取った打席は1死満塁で、本塁打が出れば4対5で逆転されるという場面。ここで植松は徹底的な内角ストレート攻めを見せ、最後にアウトローを突いて空振りの三振に打ち取るという一世一代のピッチングを見せるのである。

 大阪と並ぶ激戦区の千葉にも「高校ナンバーワン」の異名を取る選手が存在する。前出、成田高のエース・唐川侑己だ。甲子園大会で1勝止まりの唐川は中田ほどの求心力はないが、打者のライバル心をくすぐる存在であることは変わりない。

 打倒唐川の一番手は、中学時代、中田クラスの有名球児だった大前勇人(拓大紅陵高)と、選抜大会で本塁打を放ち、満天下にスイングスピードの速さを見せつけた大島寛之(千葉経大付高)の2人。優勝候補の一角と言われながら選抜大会で1勝止まりだった大島にとって、打倒唐川は目標というより責務と言ったほうがいいかもしれない。

 このような大阪と千葉で展開される超高校級球児とライバルたちとのせめぎあいこそ、桑田真澄、清原和博のKKコンビや松坂大輔の時代から連綿と続く高校野球の醍醐味と言ってもいい。その最終舞台である夏の甲子園大会が幕を開くのは1カ月後の8月8日である。

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