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“密偵”マリッチが指摘するクロアチアの弱点。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2006/03/23 00:00

 クロアチア人は、勝つためにはどんな手でも使うつもりだ。クロアチア・サッカー協会は、W杯で対戦する日本代表を丸裸にするために、ひとりの選手に目をつけた。その人物とは、昨年浦和レッズでプレーした元クロアチア代表のトミスラフ・マリッチ。日本の現状を直接感じたマリッチは、“重要参考人”になっている。

 でも、逆に考えれば、マリッチは日本にとっても、格好の情報源といえる。打倒クロアチアの助言をもらうために、現在マリッチが所属するドイツ3部のホッフェンハイムで彼に会った。

 「2週間前にも、協会から電話があった。日本サッカーについて、色々と訊かれたよ。今の代表選手の多くは友だちで、彼らともよく電話で話している」

 どうやら情報収集されているのはほんとのようだ。そのマリッチが、まず忠告したのは、日本の弱点だった。

 「Jリーグでプレーして感じたのは、パスがいいところまでつながるのに、最後の場面で決められないこと。7、8回チャンスがあって得点できないなんて、信じられない。W杯では、チャンスは1、2回しかこない。そこを気をつけないと、日本は痛い目にあう」

 それではクロアチアの弱点はどこか? マリッチは特別にクロアチアのDFが抱える問題を教えてくれた。

 「クロアチアのDFは、足元がうまくないのでプレスをかけられると慌ててしまうんだ。プレッシャーがかかると、パスを出す視界が狭くなってしまう。そこが狙い目だ」

 3月1日のクロアチア対アルゼンチン戦で、マリッチの予想どおりのことが起きた。

 クロアチアのDFラインがボールを回しているとき、アルゼンチンの俊足のメッシが猛烈な追い込みをかけると、クロアチアのDFトマスはクリアをミスしてしまった。フリーでボールを拾ったメッシは難なくゴール。つまり、クロアチアの弱点はDF陣の拙いボール回しにある。

 クラニチャル監督率いるクロアチアはアルゼンチンに3対2で勝ち、ツボにはまったときの爆発力を証明したものの、やはりサッカー大国に比べれば“穴”が多い。W杯本番までに冷静に相手の弱点を分析すれば、恐れる必要は全くない。

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