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日本男子ツアーの今そこにある危機。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2007/05/17 00:00

日本男子ツアーの今そこにある危機。<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

 51歳の倉本昌弘が一時帰国して、つるやオープンに出場し、2位タイに入った。倉本は、昨年から米国のシニアツアーであるチャンピオンズツアーに参戦している。倉本はこう言ってはばからない。

 「日本の男子ツアーは、(50歳以上の選手が出場する)アメリカのチャンピオンズツアーのレベル以下ですよ」

 確かに、チャンピオンズツアーは、シニア選手たちの“お遊び”という気分で挑戦して、勝てるような甘いものではない。いや、上位に食い込むのすら難しいレベルだ。事実、倉本も昨年は4位が最高順位である。

 日本の男子ツアーはここのところ視聴率低下、ギャラリー数減少など人気の低迷が指摘されている。ジャンボ尾崎や青木功らが活躍していた頃は40を超えた年間試合も、今年は24にまで減った。この事態に、テレビ局や代理店、スポンサーからは危機感がひしひしと伝わってくる。だが、残念ながらこの意識を共有している選手は、ごく一部だ。

 トーナメントとツアー選手を管轄している日本ゴルフツアー機構は、シーズン直前に次のような通達を出した。

 〈選手たちは、快くサインに応じること。初日前日のプロアマ大会では、ブレザー着用し、名刺交換をすること〉

 選手の意識を高め、ファンとスポンサーを死守する目的だが、こんな通達を出さざるをえなかったのは、当たり前のことができてない、つまりプロ意識に乏しい選手がいるということだ。聞けば、そんな選手が3割もいるという。

 日本の男子ツアーについて「いまは大学ゴルフ部の同窓会トーナメントですよ」と倉本が言っていたことがある。かつてのような圧倒的強さでツアーを牽引した選手も見当たらなくなった。

 それも必然だろう。以前、尾崎直道が米レギュラーツアーに参戦したとき「なんでわざわざ苦労しにいかなければいけないの? 日本にいたら楽に稼げるのに」と言った選手がいたほどなのだ。

 サインしなかったら罰金などと、まるで学校の風紀委員が校則をクラスの生徒に通達するような声が寂しく響く男子ツアー。倉本のように、プロとしての高度な技量、そして闘争心を見せることが人気復活への第一歩になるはずだ。

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