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メジャーを制した18歳10カ月の才能。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2007/04/19 00:00

メジャーを制した18歳10カ月の才能。<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

 米女子ツアーの今季メジャー第1戦、クラフト・ナビスコ選手権を制したのはツアー2年目のモーガン・プレッセルだった。この優勝はプレッセル自身にとってのツアー初優勝であり、18歳10カ月でのメジャー制覇は、サンドラ・ポストが'68年の全米女子プロ選手権で打ち立てた20歳と19日の史上最年少記録を大幅に塗り替える金字塔になった。

 プレッセルはジュニア時代から将来を嘱望されてきた選手のひとりだ。

 弱冠12歳、史上最年少記録で全米女子オープンの予選会を突破し、本選出場を果たした彼女は、その後も順調に成長。'05年の全米女子アマチュア選手権で優勝すると、全米女子オープンで2位に入り、才能が確かなものであることを証明してみせた。

 鼻っ柱が強く、負けず嫌い。彼女につく形容詞は、いつも旺盛な闘争心が漲る言葉だ。'05年の全米女子オープンで優勝を逃したとき、17歳でアマチュアだった彼女はこんなコメントを残している。

 「勝たなければ、2位も5位も変わらない。目の前にチャンスがあったのに……。この悔しさを生涯忘れません」

 このときの勝者バーディ・キムは、最終ホールでバンカーからの奇跡的なチップインバーディーでプレッセルを逆転した。その有様を目撃したのだから、悔しさもひとしおだったのだろう。

 米国ではジュニア時代からトーナメントが年間で30試合以上もあるため、試合経験を10代前半から積むことができる。道具の進化も若い選手を後押しし、身体能力のある選手なら20歳前後で優勝のチャンスに辿り着くようになっている。かつては「ゴルフで勝つには豊富な経験がなければいけない」と言われたものだが、その経験をいまの若い選手はジュニア時代から始めているわけだ。

 溢れる闘争心と年齢以上の経験値を持つプレッセル。勢いを落とすことなく、早く2勝、3勝できれば、その先には大きなステージが待っているはずだ。そのときには、闘争心や勢いだけでなく、人間的成長と技量が大切になるのだろう。

 クラフト・ナビスコ選手権ではチャンピオンが池に飛び込むのが恒例だ。プレッセルのそのシーンを見ていて、こういう才能なら、水泳をやらせてもやっぱり強いんだろうな、と思った。

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