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日本テニスの後継者、
奈良くるみという存在。 

text by

吉松忠弘

吉松忠弘Tadahiro Yoshimatsu

PROFILE

photograph byHiromasa Mano

posted2007/11/15 00:00

日本テニスの後継者、奈良くるみという存在。<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

 国際テニス連盟(ITF)公認のジュニア世界ツアー公式戦、大阪市長杯世界スーパージュニアの女子シングルスで15歳の奈良くるみ(大阪産大付高)が優勝した。準決勝で全米ジュニアダブルス準優勝のライキナをフルセットで破ると、決勝ではジュニア世界5位のホフマノバに打ち勝った。同大会は、4大大会のジュニア部門と同格で、ジュニア世界ツアーの中でもトップに位置する。

 日本女子の優勝は'02年の不田涼子以来5年ぶり。この優勝で、奈良はジュニア世界ランクが自己最高の9位に躍進した。

 158cmと小柄だが、展開の早いスピードあふれるストロークが魅力だ。特に勝負を懸けたストレートへの一発は、とても15歳のショットとは思えない。テニスのストロークは、クロスでの打ち合いが基本で、決め球にストレートを使う。しかし、ネットは両端が高くなっており、ストレートにフラットなボールを打ち込むのは常にリスクと隣り合わせだ。勇気と高度な技術が必要なため、ジュニアでは、まだミス待ちのプレーが多い。その中で、奈良はストレートへの展開の早さ、威力のどれを取っても、十分に一般で通用する才能を持つ。

 奈良は今年の全日本ジュニア18歳以下を制し、12歳、14歳、16歳以下と、国内ジュニア最高峰の年齢別全部門を制する初めての選手となった。高校総体も制し、15歳にして国内のジュニアタイトルは総なめ。ウィンブルドンのジュニアでも、今年ダブルスで準優勝した。

 奈良の次の目標は一般での上位進出だ。11日に開幕する全日本選手権は、その格好の舞台となる。昨年、大会推薦選手として出場した奈良だが「緊張しすぎて、まったく自分のプレーができなかった」という。しかし、今年は経験も積み、結果も付いてきただけに、先輩プロ相手でも、十分な手応えを感じている。

 「自信もついてきたし、できるだけ多く勝ちたい」

 日本の女子テニスは、10年以上、杉山愛の時代が続いている。その杉山も32歳。引退は年々近づいている。続く選手、特にジュニアの強化は急務だ。奈良は今年の12月で16歳になり、一般の世界ツアーへの年齢出場制限数も緩和される。日本女子が紡いできた世界への道が、早く奈良に受け継がれることを期待したい。

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