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738号 掲載記事
テストルールで開催中のサマーGP。プラジェラート大会では竹内択の16位が日本勢最高位
テストルールで開催中のサマーGP。プラジェラート大会では竹内択の16位が日本勢最高位
photograph by AFLO
SCORE CARD

スキー・ジャンプ、
ルール大改定の是非。

松原孝臣 = 文

text by Takaomi Matsubara

photograph by AFLO

 歓迎、戸惑い。スキー・ジャンプでこの夏導入されたテストルールに、選手は多様な反応を見せている。

最高飛距離が優勝とは限らない。革新的新ルールの是非。

 板の長さやユニフォームなどで規定が変更されることはあったが、今回は順位付けそのものにかかわる異例のもの。飛ぶときの風向きや強さ、スタートするゲートの位置(風に応じて運営側が選手個々にゲートを指示。従来、選手は全員同じゲートから飛んでいた)を、得点に加減点するのである。その結果、飛んだ距離と順位が直接つながらなくなった。

 これまでも、飛距離と飛型の両方を得点に換算、その合計点で争われていた。とはいえ、空中での乱れや着地での転倒などがなければ、飛距離を目安に順位の見当はついた。だが今回のルールでは、実際に得点が表示されるまで分からない。例えば8月29日のグランプリ(GP)白馬大会の上位3選手の飛距離は、1位の葛西紀明は123.5mと127.5m、2位の湯本史寿は121.5mと126.5m、3位のシモン・アマンが120.5mと136mである。選手が着地した瞬間の観客の反応が、どこか遠慮がちだったのも無理はない。

 試行を決めた国際スキー連盟の意図は、まずは風に成績が左右される選手間の不公平さの解消にある。また、テレビ中継を意識し、競技時間をコントロールする目的もあると指摘する関係者もいる。試合中にスタート位置が変更になることがあると、変更前の選手も全員飛び直すため、競技時間が長引いた。今回のルールではそれがなくなるからだ。

風に順位が左右されにくいのは競技者には朗報だが……。

 意図はともかく、観戦者が戸惑うほどの変更は、当然、選手にとってこそ影響は大きい。歓迎するのは、風の不運に泣かされることのあった葛西。

「僕に合ったルールですね」

 伊東大貴は課題を指摘する。

「風がこれくらいなら何点足す、引くとありますが、換算の割合が適切かどうか。もっと公平になるようにしてほしい」

 テストルールは、GP最終戦である10月3日のドイツ大会まで使用され、その後、正式採用するかどうか検討される。決まれば選手は対応するしかないが、公平性を目指すのであれば、極力そうなるよう、そして選手が違和感を覚えないくらい、運用面をつめてほしい。今季は五輪シーズンでもあるのだから。

■関連コラム► 冬季競技が「危機感」を強めている理由。~メダルの魔力に捕らわれるJOC~ (2009年7月14日)
► 好調スキー陣を悩ます深刻な資金難。 (2009年4月9日)

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