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'05年マスターズ展望。ヤマ場は5番ホールか。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2005/03/31 00:00

'05年マスターズ展望。ヤマ場は5番ホールか。<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

 かつてジーン・サラゼンという名手がいた。彼が世界的に有名になったのは、1935年、第2回大会のマスターズに優勝してからである。圧巻は最終日、15番ホール、パー5。サラゼンは第2打を直接カップに放り込んだ。アルバトロス(ダブルイーグル)をやってのけたのだ。

 「その後、あのダブルイーグルは素晴らしかったですね、と何千人以上もの人が声をかけてきた。でも、あの時、実際にプレーを見ていたのは50人ほどだったんだけどね(笑)」

 と彼は笑いながら話してくれたことがある。

 あれから70年が過ぎた。この10年、15番ホールの第2打は、飛ばし屋なら9番、ピッチングウエッジでグリーンオンが可能となった。それだけクラブやボールが進化したのだ。

 そこでマスターズが開催されるオーガスタナショナルGCでは、'02年に18ホール中9ホールを大改修した。距離を延ばすだけでなく、フェアウエイの起伏や左右の木々を増やし、バンカーの位置や大きさを変えた。さらに翌'03年には5番ホール、パー4などを改修、'04年に11番ホール、パー4を改修した結果、この6年間で365ヤード、つまり約1ホール分コースが長くなったのである。

 僕はこの大改修でゲームの流れが引き締まってきたと思う。言い換えれば、本来のオーガスタのコースの味が見事に再現されたのだ。特に5番ホールの改修で、前半9ホールの攻防が面白くなってきた。改修直前、5番ホールの平均スコアは4・061と楽にパーがとれるホールだった。だが、昨年は平均が4・277と厳しくなっている。このホールが厳しいために、選手たちは1〜4番ホールまでのスコアを最悪でも1アンダーにしておきたいと考えるようになった。5番ホールでボギーを叩く可能性が高まったため、それまでにスコアを稼いでおく必要が生じたのだ。

 マスターズでは後半9ホール、特に11番からのアーメンコーナーが注目を浴びるが、今や勝負の流れは前半戦、特に5番ホールを山場として決まるといっても過言ではない。

 5番ホールの距離は455ヤード。打ち上げでフェアウエイが馬の背になっていて左右が狭く、しかもグリーンは止まりにくい。4月7日から始まる今年のマスターズでは、このホールをうまく切り抜けられる選手に優勝のチャンスが大きいと僕は思っている。

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