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涙のマスターズ制覇。ウッズ、完全復活か? 

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三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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posted2005/04/28 00:00

 トーナメントに優勝して、タイガー・ウッズが涙ぐんだことがこれまでにあっただろうか。'97年にマスターズ初優勝を遂げたときも、それ以外でも、そんなシーンはなかったはずだ。

 だが、今回のマスターズの表彰式でウッズは涙ぐんでいた。もちろんウッズ自身が語ったように、父親のアール氏が心臓病で入院していることもあっただろう。だが、'02年の全米オープン以来、3年近くメジャーに勝てなかった苦難の時期を乗り越えた喜びも大きかったはずだ。

 ただ、このゲームでは、ウッズの涙の勝利とともに、惜しくもプレーオフで敗れたクリス・ディマルコ(米)の健闘を讃えたいと僕は思う。ディマルコは、最後の最後まで、簡単にウッズに勝たせない粘り強いゴルフを見せてくれた。

 ディマルコは第1ラウンド、5アンダーで首位に立った。対するウッズは、2オーバー。ディマルコとの7打差を縮めるべく、第2ラウンドからウッズは猛追を開始する。第2ラウンドは6アンダーのスコア「66」、第3ラウンドではさらにチャージし、7アンダーのスコア「65」で回った。第3ラウンドを終え、ウッズはようやくディマルコを3打リードして首位に立つ。だが、ディマルコは、執拗にウッズを追い続けた。

 ハイライトは1打差で迎えた残り3ホール。16番ホール、パー3で、ウッズはグリーン奥からの超難度のアプローチを奇跡的に沈め、バーディでリードを2打差に広げた。普通ならこれで勝負は決まる。だが、ウッズが連続ボギーを叩いた残り2ホールを、ディマルコは連続パーでまとめ、勝負をプレーオフにまで持ち込んだのである。

 「クリスは、ほんとにタフな選手だ」

 ゲーム後、ウッズは大きなため息をついていた。だが、ディマルコにここまで苦しめられたからこそ、この勝利の重みを余計に感じたに違いない。

 この優勝でウッズはメジャータイトルを9個とした。これはジャック・ニクラスの18個、ウォルター・へーゲンの11個に次ぐ史上3番目となる記録だ。

 夢である年間グランドスラム達成に向け、まずは第1関門を突破したウッズ。マスターズの勝利は完全復活の証か否か。真価が問われる次のメジャーは、6月に開催される全米オープンである。

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