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モリワキの参戦に見るMotoGPの未来図。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2005/03/31 00:00

モリワキの参戦に見るMotoGPの未来図。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 見た目の華やかさとは裏腹に、オートバイレースの最高峰MotoGPクラスが、4年目にして大きな曲がり角に差しかかっている。

 '02年から、MotoGPクラスは、F1同様、出場するチームにフル参戦を義務付ける代わりに様々な既得権を与え、参加台数の安定化を図った。同時に、2ストローク500ccのみだったエンジン規定に市販車のイメージと直結する4ストロークを加え、さらに排気量の上限を990ccとするハンディキャップを与えて、新たなバイクメーカーの参加を呼びかけた。このルール改正でカワサキとドゥカティが加わり、MotoGPクラスはトップカテゴリーに相応しい戦いの場となった。

 メーカーの面子をかけた戦い。しかし、勝つための開発競争が激しくなれば、膨大な資金が必要になる。当然、その戦いから脱落するメーカーが出てくることが予想された。それを防ぐため、MotoGPに出場するチームには、そのメリットを最大に生かせる大きな権利を与えたはずだったのだが、低迷するチームの脱落を防ぐことはできなかった。

 その結果、アプリリアがこのクラスからの撤退を決め、さらにふたつのチームが2台から1台へと参加台数を減らした。

 既得権を持つ有力チームでさえ脱落してゆくMotoGPクラスは、そろそろ大幅なルール改正などで体制をリセットする必要に迫られている。メーカー間では経費削減についてすでに話し合いを行っているが、妥協点を見出せない状態が続いている。いまはまだ数台の減少に止まっているが、このままなら現体制を維持するのはかなり厳しくなる。そのために、以前のように“出たいチームが出場できる”制度の復活を望む声が大きくなっている。

 そんな中で、ホンダエンジンを使って独自にマシンを製作し、スポット参戦を続けるチーム「モリワキ」の存在が、シーズンを追うごとに大きなものになっている。参戦3年目を迎える今年は、助っ人として開発ライダーにホンダの宇川徹が加わり、タイヤもミシュランを得て、これまでの中で最高の体制を作ることに成功した。出場は2戦の予定だが、フル参戦を目指す「モリワキ」にとって、MotoGP界の曲がり角は、その存在感を示す大きなチャンスになりそうだ。

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