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真の国際化のために、JRAに課された宿題。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

posted2007/01/11 00:00

 2006年は、競馬の国際化に加速がついた一年であった。レベルアップは間違いなく進んでいる。しかし問題点が露呈してきた一年でもあった。

 世界制覇の野望を抱いて、勇躍凱旋門賞に出走したのがニッポンの史上最強馬ディープインパクト。結果は3着でも、その内容で十分に日本馬のレベルアップを示した、と個人的には高く評価していたのだが、帰国後に降りかかった禁止薬物検出に対するJRAサイドの応対がまずく、問題を不必要にこじれさせたことで一気に興ざめとなったのは私ばかりではなかったと思う。競走馬の、いわゆるドーピング検査に、グローバルスタンダードが構築されていないことをこの件で知らされて、頭を傾げる思いを抱かれた人も少なくなかったはずだ。競馬に国境はない、と胸を張って言える環境には到達できていないのだ。

 '06年は、日本の競馬が国際パートIに格付けされた年でもあった。これは国際競走が過半数に達したことがIRPAC(国際格付番組企画諮問委員会)に認定されたことによるものなのだそうで、ここ数年、そういう狙いがあって、重賞レースに実態がほとんどない「国際」の文字をせっせとつけていたのかと考えるのは深読みにすぎるだろうか。

 20回の歴史を数えた「ワールド・スーパー・ジョッキーズ・シリーズ」も、近年はマンネリ化が進みつつある。デットーリやペリエ、ルメール、スミヨンといった、ビッグレースの常連を選出しようとせず、単純に勝ち星の多さのみで賞金獲得額の低いジョッキーを連れてくる傾向の加速が、その大きな要因であるのは明らかだ。ファンの目が肥えたのは、JRAが自ら展開した国際化政策が功を奏してのもの。そうしておきながら、国際化イベントの品質を劣化させるのでは落胆を招くだけ。来年こそは巻き返しを図らないと、企画自体が消滅してしまいそうな、そんな危機感が漂っている。

 最大の呼び物である、ジャパンカップと同ダートの招待馬の充実も、来年のJRAに課せられた大きな宿題と思う。今年のような質と量では国際パートI国の威信においても満足するわけにはいかない。凱旋門賞やブリーダーズカップと日程が重なるのが原因と言うのなら、その抜本改革も含めて検討すべきだ。

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