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民間参入は地方競馬を救うことができるか。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

posted2005/02/17 00:00

 競馬法が一部改正されて、勝ち馬投票券を販売する分野に民間企業の参入が可能になったという。ところが、これを具体的に説明してアピールしようという気持ちが「官」にはないように思える。

 法改正の大きな理由のひとつとして、青息吐息の公営競馬の現状を打開する目的があるのは言うまでもない。せっかくの法律が成立したのだから、次にやるべきは「これだけのメリットを用意してお待ちしております。どうぞ資本投下をご検討ください」というキャンペーンを張ることだろう。しかしそういう動きは一向に見えない。それどころか、法改正を積極的にPRする意思さえも見出せない。とりあえず法律は作ったのだから「官」としての義務は果たした。あとはご勝手にどうぞという姿勢なのだろう。

 昨年末までに中津、新潟、益田、上山、足利、高崎の各競馬場に、廃止というむごい大鉈が振るわれた。かつては自治体財源のドル箱ともてはやされていたのに、景気衰退による売り上げ減少という理由だけで一転してお荷物扱い。もちろんこれだけで危機は回避されたわけではなく、いま残っている競馬場も、そのほとんどが将来設計を見失っているのだという。つまり、馬券が売れない→経費節減→賞金削減→馬主が減る→出走頭数と馬の質が落ちる→馬券が売れない、という負のスパイラルにはまり込んでいる状態なのだ。

 最も危ないと言われているのが、オグリキャップを産出したことで有名な笠松競馬場。3月までの開催日程は発表されたものの、そのあとは白紙。すでに賞金は最低レベルまで減らされ、しかも支給は4着まで。騎乗手当てさえも日給で我慢している騎手たちは、フリーター以下の報酬で、命をかけた競馬を戦わされているのだから可哀想になる。

 いったい、なにがまずいのか。公営競馬の管理者というのが自治体から出向してきたカチカチの小役人で、彼らが競馬に対してなんの愛情も持っていないのが最悪なのだ。競馬場がなくなっても他の部署に移ればいいだけの役人と、なくなったら人生が終わってしまうホースマンたちの波長が合うはずはなく、話は悪い方へと転がるばかりなのもわかる。

 運営側にヤル気のある「民」が入って行けるのなら、全然違う展開になるのではないか。だからこそ改正競馬法に期待してしまう。

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