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重賞3連勝を遂げたダート王の今後。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byShigeyuki Nakao

posted2005/03/17 00:00

重賞3連勝を遂げたダート王の今後。<Number Web> photograph by Shigeyuki Nakao

 今年初のG?、フェブラリーS(2月20日、東京、ダート1600m)を制したのは、ダート路線転向後わずか3戦目のメイショウボーラー(栗東・白井寿昭厩舎、牡4歳)だった。逃げ切り至難という厳然としたデータが残っている過酷なレースなのに、持てるスピードだけで押し切った結果が1分34秒7という優秀な勝ち時計。クロフネが樹立した日本レコードには及ばなかったものの、現役最強のダート巧者が揃った大舞台でレースレコードを更新してしまったのだから、まさに天才児出現である。

 メイショウボーラーは、2歳の夏の小倉でデビューし、デイリー杯2歳Sまで土つかずの4連勝を飾った、元々は皐月賞候補の呼び声も高かった芝の快速馬だった。ところが朝日杯フューチュリティSで痛恨のクビ差2着に敗退してからというもの、長いトンネルに迷い込んで、8戦、丸1年勝ち星から遠ざかった。頭を悩ませた陣営は年明けになってついにダートに新天地を求めたわけで、これが見事に的中。1200mのガーネットSが3馬身、1400mの根岸Sが7馬身と、後続馬に影さえ踏ませない圧倒的な逃げ切りを重ね、ついに念願のG?タイトルにまで手が届いたのだ。

 この馬の父タイキシャトルは、日本とフランスでマイルのG?を勝った超名馬。しかし産駒の傾向は「2歳戦に強い早熟型」という評価が定着しつつあっただけに、孝行息子の活躍はそうした汚名を払拭し、その血に厚みをもたらせた。レース条件の選択さえ誤らなければ、そのスピードは古馬になってさらに磨きがかかると証明されたからだ。

 「フェブラリーSは鞍上で息をひそめて、馬の邪魔をしないようにしていただけ。後ろを寄せつけない速さで行って、最後まで持続するという、強い馬でなければできないレースをしたと思います。レースのスタイルとしてはアメリカ的。ためて行って弾けるかどうかではなく、そういう競馬が合っています」と名コンビの福永祐一騎手。そこで出てきたプランは、ダートのスピード競馬の世界一を決める、「ブリーダーズカップ・スプリント」(今年は米国のベルモントパーク競馬場のダート1200mを舞台に、10月29日に開催される)への挑戦。まだ先の話だが、この馬ならやってくれそうな手応えは十分ある。

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