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マラソン“谷間のシーズン”。出でよ、新戦力。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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posted2004/12/16 00:00

 11月21日に行われた東京国際女子マラソンは、千葉真子(豊田自動織機)らが積極的に先頭集団を引っ張ったが、終盤に猛追したブルーナ・ジェノベーゼ(イタリア)が40km過ぎに逆転し、2時間26分34秒で優勝した。日本選手では27歳の嶋原清子(資生堂)が国立競技場に入る直前に千葉を抜き、2位に入ったのが最高だった。

 日本陸連では東京、大阪、名古屋の国内3レースで日本人最高になり、2時間26分を切った選手は自動的に来夏の世界選手権(ヘルシンキ)代表にすることを決めていたが、嶋原のタイムは2時間26分43秒で、その条件を満たすことはできなかった。しかし沢木啓祐強化委員長は「昨年も3位と安定しているし、常に高いところに挑戦している」と高い評価を与え、現時点では代表の最有力候補となった。

 アテネ五輪が終わったばかりということもあり、今季の国内マラソンはやや盛り上がりを欠いている。3人しか出場できない五輪と違い、世界選手権は5人も出場できる。しかも、五輪前年の世界選手権なら優勝すれば五輪切符が手に入るが、五輪翌年の大会には“特典”がなく、あえて過酷な夏のマラソンに挑もうという選手は少ない。そんな中で注目されていたのは高橋尚子(スカイネットアジア航空)だったが、こちらは何と右くるぶしを骨折していたことが判明し、周囲を驚かせた。

 高橋が骨折したのは9月下旬のこと。米コロラド州ボルダーでの合宿中に石に乗り上げて右足首を負傷し、10月上旬の精密検査で「右くるぶし上部の骨折で全治6〜8週間」と診断されたという。本人は「骨折と分かった時はショックだったけど、すぐに今やれることをやろう思った。できれば来春の選考レースに出たい」と来年3月の名古屋国際出場に前向きな姿勢を示したが、現実問題として、わずか3カ月の準備期間でベストの状態に持っていくのは不可能に近い。ここで無理をして選手生命に影響するようなことにでもなったら取り返しがつかないだけに、今はじっと我慢するしかなさそうだ。

 すでに野口みずき(グローバリー)と坂本直子(天満屋)も世界選手権回避を早々と表明しており、代表争いはまったく予想がつかない。逆に言えば若手にとっては大きなチャンス。新戦力の台頭を期待したい。

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