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柔道女子48kg級で起きた
完全なる“政権交代”。
~時代は谷亮子から福見友子へ~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShino Seki

posted2009/12/31 08:00

柔道女子48kg級で起きた完全なる“政権交代”。~時代は谷亮子から福見友子へ~<Number Web> photograph by Shino Seki

公式戦で唯一谷亮子から2勝している福見。ライバル山岸にも差をつけ女王の座に就いた

 今年の日本柔道界を振り返ってみて、いちばん大きな変化を遂げたのは、この人だったかもしれない。

 12月11日から13日まで行なわれた「グランドスラム東京」を制した48kg級の福見友子である。この大会は、オリンピック、世界選手権、マスターズに次ぐ世界4大大会のひとつとして、昨年まで行なわれていた嘉納杯を改称して実施されたもの。今年を締めくくる大会を、福見はポイントを一つも失うことなく制した。昨年に続く優勝だが、今回の姿には、風格さえ感じられた。

世界4大大会のうち2大会を制覇。もう「実績不足」とは言わせない。

 福見は今年8月の世界選手権で、初出場にして優勝を遂げた。これまでは代表選考会で優勝しても「実績不足」を理由に、大きな国際大会の代表に選ばれなかったが、国内外の選考対象大会で優勝して日本代表に選出。「絶対に金メダル」と背水の陣で臨み、ようやくつかんだチャンスを見事、いかしたのだ。

 それが福見を変えた。世界選手権で得たものをこう語る。

「学んだことはたくさんありますが、なによりも、世界の舞台に立って勝ったことで、何事にも動じないという自信がつきました」

 世界選手権以来の大会となるグランドスラムでの姿には、その自信がにじみ出ていた。そしてそれが危なげない勝利につながったのだ。

年明けには谷亮子も練習再開。新旧女王の戦いも始まる。

 まぎれもなく48kg級の第一人者となった福見だが、この階級は、男女を通じ、国内で最も層の厚い階級でもある。福見と好勝負を展開してきたライバルの山岸絵美をはじめ、今大会で山岸を準決勝で破り準優勝を果たした近藤香や伊部尚子などの成長も著しい。福見も自覚している。

「今回も、海外の選手と戦うときは技をどんどん仕掛けようと思っていましたが、国内の選手とやるときは、延長も含めて8分間やりきることも考えて臨んでいました。技、気持ちの強さという点でも、海外より日本のほうが何人も強い選手がいます」

 年明けには、常に重石のようであった谷亮子も練習を再開するという。

「ライバルは多いですが、一つ一つ大会を勝って、来年の世界選手権も連覇します。そしてオリンピックへつなげます」

 女王の座を揺るぎないものにするために、福見友子は無敗を目指す。

■関連リンク► 「実績」に屈した福見友子が掴んだ、柔道世界選手権優勝という「実績」。
► 日本の柔道は弱くなったのか? (言わせろ!ナンバー 結果レポート)

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