#722

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“復活”した朝青龍に 引導を渡すのは誰か。

2009/03/20

 「横綱として一回優勝したかった」

 かつてこんな言葉が朝青龍の口から出ていたことがあった。2003年5月場所、横綱昇進2場所目の朝青龍が、2場所ぶり3回目の優勝を決めた後に語ったものだった。そして、先の1月場所。朝青龍は5場所ぶり23回目、歴代単独4位の優勝記録を達成した。横綱として優勝すること実に21回である。

 3場所連続の休場明け、左ひじのケガの回復の遅れ、さらには稽古不足などの周辺材料から、場所前は横審、評論家を含めてメディアは「進退がかかる。前半戦に連敗なら即引退」と半ば決めつけていた。

 一昨年の“サッカー問題”をはじめ、土俵内外の話題が「朝青龍対協会」「朝青龍対横審」という番外取組の様相を呈すると、朝青龍は常に優勝という結果で自らに軍配を上げてきた。今回も終わってみれば、抜群の集中力で最高の結果を満天下に示してみせた。朝青龍にとって、白星を積み重ねるたび、世間の評価が手のひら返しで好意的になっていったのは痛快だったろう。

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photograph by JMPA

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