「ドラフト1位と違って、ロクに契約金ももらえなかった人間にしてみればどうしてもこのチャンスは逃したくなかった」
もう12年も前のこと、FA選手第1号として阪神からダイエーに移籍した松永浩美が、こんな話をしていたことを思い出す。清原和博が西武から巨人にFA移籍した時は、「10年も王様として君臨していたチームを離れて、最初からやり直すのは誰だって苦痛ですよ。でも、新しいところでやりたいという少年のような思いには勝てなかった」と、憧れの球団に移る気持ちを話していた。
11月6日、日本ハムの小笠原道大が、移籍を視野に正式にFA宣言した。44年ぶりの日本一の立役者である。新庄剛志が引退した今、チームの顔であることも間違いない。では、小笠原はなぜ決断を下したのだろうか。
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photograph by Koji Asakura