36歳9カ月の嶋田雄大がプロボクサーの「定年」間際に念願の世界挑戦を決めた。6月12日、日本武道館でWBA世界S・フェザー級戦が行なわれる。
勝てば日本の世界王者の最高齢記録となるが、「それが僕の一番の話題性じゃないですか」と本人は笑う。1位挑戦者が負傷し代わりに指名された“棚ボタ”を素直に喜ぶが、標的は23戦全KO勝ちの怪物王者エドウィン・バレロだ。当然、相手が悪すぎるという声も多い。
「でも、私だって何回でKOされるかと言われながらサルディバルに勝ったんだから」と、不利の予想を意に介さないのは、ヨネクラジムの先輩に当たる柴田国明氏。嶋田がそのボクシング理論に共鳴し、三顧の礼で特別コーチに迎えた人である。過去に3度も世界王者になり、このうち2度は海外で、いずれも無敵を誇ったビセンテ・サルディバル、ベン・ビラフロアを倒しての戴冠だった。逆境で世界を掴むのは、柴田、ガッツ石松ら5人の世界王者を育てたヨネクラジムのお家芸である。
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