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亜久里がはぐくむ、子供たちの未来。

 いまや鈴木亜久里は、レーシングカートから国内カテゴリーはもちろん、ヨーロッパのF1やアメリカのIRLのチームにまで手を広げる「世界最大の」レーシングチームオーナーである。その亜久里が熱心に続けてきたのが、自分を育ててくれたモータースポーツの入口、レーシングカートでの活動である。

 10年前、鈴木は自チームで育成する選抜選手を真夏のツインリンクもてぎカートコースに集めて夏期集中合宿を始めた。朝から晩までいやというほどレーシングカートに乗せて、その能力を引き出す環境を作ってみたかったのだという。それの締めくくりはレーシングカート経験者たちを集めた実戦という趣向だった。

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photograph by Mamoru Atsuta

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