2年連続の3冠馬出現か、で盛り上がろうとした菊花賞だったが、筋書き通りに運ぶものではなかった。終わってみれば、8番人気の伏兵ソングオブウインドを、3000mの舞台で完璧に操った武幸四郎騎手の騎乗だけが格別に光っていた。ただ、競馬場のムードは祝福とは少し違う空気に包まれていて、管理する浅見秀一調教師がお立ち台に上がるのを渋ったほど。「ドラマを期待した多くのファンの皆さんには、申し訳ない。この馬を応援してくださったファンにはありがとう、と言います」と、複雑な表情を隠さなかったのが印象的だった。
深夜の凱旋門賞中継に驚異的な視聴率20%超えを記録したほどの競馬ブーム再燃の兆しに水を差したのは、ディープインパクトの禁止薬物問題。というよりも、降ってわいたようなスキャンダルに誠実な対応ができないJRAの体質に、ファンが嫌な臭いを感じているからだと筆者は思っている。
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