「変わったのは、伸ばし放題にしているオレの不精ひげとロングヘアーだけだよ」
と、ジョニー・デイモンは人懐っこい笑顔をみせて髪の毛をかきあげた。本拠地フェンウェイ・パークの古色蒼然としたクラブハウス。ここに足を踏み入れるたびに'30年代か'40年代の映画のセットに紛れ込んだような錯覚に陥るのだが、同時に長年ずっと、ある種の冷ややかさが気になっていた。ところが、昨年あたりから変化が感じられ、今年はクラブハウスの空気がさらに柔らかくなっていた。そのことをデイモンに聞いてみたのだ。彼はジョークで煙に巻いたが、間違いなくレッドソックスのムードは変わった。少なくとも、昨年のリーグ優勝戦でのショッキングな敗北など、すっかり忘れ去られたかのようだ。
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photograph by Yukihito Taguchi