プロ入りして16年、開幕スタメンをスコアボードで確かめて、ソフトバンクの宮地克彦は「よくぞここまで」という感慨を覚えていた。一昨年のオフに西武を解雇され、トライアウトを受けてダイエーに入団。昨年は規定打席にこそ足りなかったが、3割1分というこれまでの最高打率をマーク。年俸も2000万円アップした。
しかし、オフにその喜びに浸る余裕はなかった。王貞治監督はソフトバンクの外野陣について、キャンプの時から「誰も決まっていない。競争に勝ち抜いた奴を使う」と明言。FAで大村直之を、トライアウトで井出竜也を獲得していた。さらに、プレーオフの走塁ミスでトレード要員に挙げられた柴原洋も個人トレーナーを雇い、汚名返上に燃えていたからだ。
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photograph by Hideki Sugiyama