地獄の底から届くような暗い響きで「終わりました……」――アテネ五輪準々決勝で中国に敗れた直後、吉原知子主将が筆者へかけた電話の声のことである。
そこから遡ること数カ月。アテネ五輪を控え、日本中が女子バレーブームに沸くなか、舞台裏で進行していたチームの“異変”が本書では明かされている。
その“異変”とはマスコミの寵児となった知将・柳本晶一監督の変化のことだ。メディアへの対応や、本来は協会の仕事であるオリンピックに向けた事務的手続きに忙殺され、選手達に目が届かなくなった。仕方なく選手は、自分たちで団結をはじめたという。
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