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名王者の心を濡らす、もうひとつの晴れ舞台。

2009/03/08

 「ここにそれを作れば、彼らはやってくる──」

 映画『フィールド・オブ・ドリームス』の主人公はアイオワの自分の畑を潰して野球場を作ったが、ニューヨーク州の片田舎カナストータ村のボクシング・ファン、エド・ブロフィーは、村と掛け合いボクシング博物館を作った。レイ・キンセラほどあちこち駆けずり回らなくてすんだのは、この村がカーメン・バシリオ(シュガー・レイ・ロビンソンらと名勝負を演じた)、ビリー・バッカスという2人の世界王者の出身地だったからだ。

 '89年に設立された「国際ボクシング名誉の殿堂博物館」は年々規模を拡大してきた。毎年6月第2週の殿堂フェアにやってくるのは、新たに選ばれた者はじめ古今の王者たち。マービン・ハグラー、アレクシス・アルゲリョ、ルーベン・オリバレス、ケン・ノートン、バスター・ダグラスといったおなじみの顔。そして彼らに会い、グローブや写真など持参のお宝にサインをねだる無数のファン。

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