耳を劈(つんざ)くような歓喜の渦の中。
「プロレスファンのみなさんに、プロレスの力というものを見せることができたと思います」
王者・小橋建太の勝利インタビューだった。ひと呼吸おいたその汗まみれのマイク・アピールには、プロレスの置かれている状況と立場やノアの現状を伝えるパッションが凝縮されていたような気がする。プロレス一途の男には、このボディ・ランゲージしかなかったのだ――。
三沢ノアの4・25日本武道館。小橋が高山善廣(フリー)を破り、V8を果したGHCヘビー級決戦での光景だ。
この日、東京・千代田区の北の丸公園は入場を待つ観客で溢れ、地下鉄・九段下駅から田安門に続く坂道までその列は途切れることなく続いていた。7・10東京ドーム初進出、小橋 vs. 秋山準の頂上対決が決まったばかりの武道館はいつもと違う熱気に包まれた。
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