特別増刊

記事を
ブックマークする

全仏の勝敗を分けた、片手のバックハンド。

2009/03/08

 私は片手のバックハンドしか打てない。それも球種はトップスピンなどをたまに真似るだけで、ほとんどがスライスだ。学生時代、両手打ちのバックはまれな存在だった。両手が一般の愛好家に認知されるのは、'70年代のボルグ出現以降である。その打法は急速に広まり、現在は片手打ちの方が希少価値となってしまった。両手打ちはリーチが短いものの、安定感、パワー、攻撃的トップスピンの打ちやすさで市民権を得たのだ。

 今年の全仏決勝は、奇しくも男女ともに両手バックと片手バックの対決となった。男子は両手のナダルが片手のフェデラーを下し、女子は片手のエナン・アーデンが両手のクズネツォワを倒した。両手のナダルとクズネツォワは同じ戦法を使い、相手のバックを切り崩す作戦に出た。それに成功したのがナダルで、うまくいかなかったのがクズネツォワである。

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Hiromasa Mano

0

0

0

前記事 次記事