内藤−亀田戦が「名勝負」として記憶されることはないにしても、あの試合の12ラウンドに起こったことは、後々ファンの間で語り草になるに違いない。あの時、大毅はなぜあのような反則行為を連発したのだろうか。
「あれは、おそらく負けたくてやったことだと思いますよ」と、独自の解説をしてくれたのは浜田剛史さんである。負けたくて、といっても別に八百長行為ではない。回は終盤に入り、相手は強い。このままではどうやっても勝てない、どうせ負けるなら、反則失格負けの方がましと、自暴自棄になって……プロレスラーがフォール負けを嫌って“名誉ある”反則負けを選ぶのと同じ心理だったか。レフェリーに片腕掴まれ減点を取られた時、残る左手でガッツポーズをとった大毅の表情が忘れられない。
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photograph by Atsushi Hashimoto