数字の上では、僅かな望みは残っていた。だが膝をつき、目を赤くした選手たちの姿は、彼らが現実を理解していることを示していた。
1月26日の秩父宮。トップリーグ第12節。自動降格回避を懸けた、前節12位の九州電力と13位リコーの対戦は逆転また逆転の末、九電が20対17で勝利を掴んだ。前節11位のクボタが残り2戦で勝ち点ゼロに終わればリコーが並ぶ可能性はあったが、その先には170点という絶望的な得失点差が聳え立っていた。
「来年はトップリーグに出られません」
試合後の会見。佐藤寿晃監督は険しい顔で言った。「何が敗因というより、負けたという結果がすべて。伝統あるチームに汚点を残してしまった」。
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photograph by Nobuhiko Otomo