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「なぜ若き才能はJリーグを経由せずに海を渡るのか?」欧州クラブ“青田買い”の背景と、Jリーグスカウトのため息《求められる「ポストユース世代」が経験を積む場》

2024/09/01
U-17W杯で海外メディアからも注目された高岡伶颯
チェイス・アンリや福田師王らのドイツ・ブンデスリーガ行きに続き、世界最高峰プレミアリーグのクラブが、日本の高校生を獲得する時代になった。なぜ若者たちはJリーグを経由せずに海を渡るのか。近年のスカウト事情に迫る。(原題:[青田買いの背景]海を渡る高校生の大志とJリーグスカウトのため息)

 夏のインターハイを終えた頃だった。将来有望な高校生たちを追いかけるJ1クラブのあるスカウトは、やるせない思いをふと漏らしていた。

「いまは高卒で、(Jリーグを経由せずに)そのまま海外に行く時代になったよ」

 昨今、世代屈指の高校生タレントが日本国内のオファーを断り、ヨーロッパのクラブでプロ生活をスタートするケースが増えている。今年6月、世界最高峰とも言われるイングランド・プレミアリーグのサウサンプトンと仮契約を結んだ日章学園高校(宮崎)の高岡伶颯も、その一人である。

 思い返せば、2年前の春。進路先が大きく注目された尚志高校(福島)のチェイス・アンリがドイツのシュツットガルトに加入し、大きなニュースとなった。その翌年には『超高校級』と騒がれた神村学園高等部(鹿児島)の福田師王がドイツのボルシアMGへ。今春にも同校から吉永夢希がベルギーのヘンク入りを果たしたばかりである。

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photograph by Getty Images

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