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「シンジは仲間を呼び覚ます“鈴”なんだ」“ミラクル・レスター”における岡崎慎司の「適切に評価されていない」貢献とは?《バーディーが語るナイトクラブの思い出も》
一体なぜ、あんなことが可能だったのか。
あの'15-'16シーズンが終わりを迎えようとしていた頃、私は当時のレスターで最も在籍期間の長いアンディ・キングに根源的な質問をした。
一体なぜ、サラリー総額が2200万ポンド(当時のレートで約35億円)に過ぎず、前のシーズンに降格の危機に瀕していたチームが、並みいるビッグクラブたちを差し置いてプレミアリーグ王者になれたのか、と。それはフットボール史上最大の奇跡と評されている。
レスターの下部組織で育ち、3部リーグを戦っていた頃のファーストチームを知るキングは、的確に説明してくれた。いわく、レスターの独特のチームスピリット、風変わりでも賢明なクラウディオ・ラニエリ監督のマネジメント、クラブとサポーターの強力な繋がりが、その要因として考えられる、と。加えて、過小評価されている選手たちの本当のクオリティーも。
スター選手なら当時のレスターにもいた。魔術師リヤド・マフレズ、中盤の番人エンゴロ・カンテ、守護神カスパー・シュマイケル、そして遅咲きの彗星ジェイミー・バーディー――得点王ハリー・ケインに次ぐ24ゴール――と。
「彼ほど、チームにすべてを捧げている選手はいないよ」
ただしキングはひとりの日本人選手の働きを、ことに強調した。
「このスクアッドのなかで一番適切に評価されていないのは、シンジ・オカザキだ」
キングによると、レスターの逆襲を基調とした戦術は、岡崎慎司の特別な役割によって成り立っていたという。それは低く構える堅牢な4バックと、抜群のスピードを誇る1トップのバーディーの双方を最大限に生かそうとするシステムだ。
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